「ミル・マスカラスのゴング1」」(原題:LAS MOMIAN DE GUANAJUATO)
制作国:メキシコ 1972年 監督:フェデリーコ・クリエル



「ミル・マスカラスのゴング1」。1ということは2もあるんだぜ!ルチャドールと死霊どもの死闘の開幕だ!



墓場で繰り広げられるルチャドールとミイラの白熱プロレスバトル!ミイラの逆水平チョップがマスカラスに炸裂!なんかシュールだ・・・。



結局、プロレスでは収集つかないので火炎放射器でミイラどもを一掃!・・・て、そんなもんあるなら最初から使えよ(^ω^;)

数ある映画ジャンルの中でも特にコアなものの一つにルチャ映画がある。

ルチャとはメキシコのプロレス・ルチャリブレのことで、ルチャ映画はその名の通りメキシコのプロレスラーであるルチャドールが主演している映画のことを指す。日本ではあまり公開される機会もないジャンルだが、多くのルチャ映画に共通して云える事は、どれも話が破綻していて、ろくに観れるような内容のものではないという事実だ。

この「ミル・マスカラスのゴング」はまさにそんなルチャ映画の特徴を凝縮したような作品で、タイトル通りミル・マスカラス主演の・・・なんとゾンビ映画であるΣ(゚ロ゚;)

あの仮面貴族ミル・マスカラスが、よもやゾンビと戦うという時点で、パッケージに書かれたその内容を危惧せざるを負えないが、それにしても「ミル・マスカラスのゴング」という邦題からいったい何人の人間がこれをゾンビ映画だと連想できるだろうか。一応、本編のタイトル画面では「死霊レスラー、復讐のラリアート。」と、多少それっぽい副題が付いてくるが、なんだろう。この副題のセンスからしてもはや明るい未来が見えないんだね・・・。

映画を観進めてみると本編に登場するのはゾンビではなくミイラで、物語の中心人物はマスカラスではなくエル・サントだったりする。

過去にエル・サントとのタイトルマッチに破れた悪役レスラーが死霊レスラーとして蘇り、現代のスーパースターであるミル・マスカラスとブルー・デーモンがその死霊レスラーの巻き起こす事件に立ち向かうというのが大筋のあらすじだが、そもそも死霊レスラーの復讐相手はエル・サントのはずなのに何故マスカラスとブルーデーモンが戦うはめになるのだろうか。肝心のエル・サントが登場するのはクライマックスのバトルシーン。試合会場への移動中に偶然立ち寄ったというサントは、やはり偶然持ち寄っていた人数分の火炎放射器でマスカラスらと共に死霊レスラーどもを焼き払う。

「どうしてここに来たのか?」と問うマスカラスにサントは「いやぁ会場への移動中に偶然立ち寄ったんだ」「車に火炎放射器があってよかったよ」などと言い、最後は全員でハハハハ!と笑って大団円で終わる・・・お前らナイスガイすぎるぜ(^ω^;)

そういえば登場する死霊レスラーはハンマーパンチばかりで副題にあったようなラリアートなんてしてなかったような気がする。ルチャレスラーたちと死霊レスラーとの格闘シーンはパンチやチョップでボカボカ殴りあうばかりで、全然ルチャっぽい動きもしてなかったし、プロレスらしい要素も何も無い。特に印象に残るような点もないし、只々眠くなるだけだったことしか覚えていない。

ところでこの映画は前半でマスカラスとブルーデーモン組のタッグマッチが突如、丸々一試合流される。映画のあらすじとは一切関係無いシーンだけど、ミイラたち相手のアクションがヘッポコな分、本編中でマスカラスのルチャムーブをまともに堪能できるのは、あらすじとは一切関係のないこの試合映像だけだ。

適当なストーリー、無意味な会話、無駄なシーン、意味不明な展開、やる気の無いアクション、眠くなるBGM、他にもクソのテンコ盛りだ。日本でも知名度の高いマスカラス主演のゾンビ映画ということで輸入してきたのだろうが、ちょっとこのビデオは酷すぎる。いくらSFXホラーが流行っていた80年代とはいえ、このビデオを金を取って売るという行為が犯罪にすら思えてくるぜ!

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