「悪魔のえじき ブルータル・デビル・プロジェクト」(原題:Violent Shit 3)
制作国:ドイツ 1999年 監督:アンドレアス・シュナース



あギャー!!ブリキのお面つけたボンクラどもに顔面の皮剥がされちまったダーッ!!



左が本ビデオ冒頭に流るテロップで、右が血肉の華の冒頭に流れるテロップ。完・全・に・一・致!キリッ( *`ω´)



ところでボケナスどもの集団をよく観察すると、その中に一人場違いな幼女がいることを確認できる。この子は大きくなってから自分がこんなビデオに出演したことを知ったらどう思うのだろうか・・・。絶望したッ!こんな愛くるしい幼女の人生に汚点をつけてしまう汚い大人たちに俺は絶望したッ!
みんな大好き!ドイツのB級スプラッター製造マシン、低俗映画の帝王アンドレアス・シュナース監督のライフワーク「VAIOLENT SHIT」シリーズ3作目!脊髄引き抜き、顔面爆破!ゾンビが出てくりゃ骨までしゃぶり、気がつきゃ忍者や空飛ぶギロチンとカンフーで戯れてるカオスでゴアゴアな人生廃業組のテーマパーク!

このビデオは冒頭に、これから始まる本編がまるで記録映像であるかのようなテロップが流され幕を開ける。

『1999年7月3人の旅行者が行方不明になり、フィルムが漂着した。この映画はフィルムを修復再編集したものである。なお当局はこのフィルムを手の込んだニセモノと決めつけ、3人の旅行者の捜査を打ち切った。彼らの消息はいまだに不明である。また、フィルムの孤島の位置も明らかにされていない・・・。』

・・・とのことらしいが、ビデオのパッケージを観察すると裏面の作品説明の一文に『ドイツの森で秘かに撮影され、ヨーロッパ全土を震撼させた究極の残酷恐怖映画である。』と書かれてあり、さらにビデオを見続けるとテロップが終了して数秒後には登場人物たちをカメラが引きで映している。この時点でこのビデオがドキュメンタリーフィルムでないことは一目瞭然だが、何故こんな開始数秒で破綻するような無意味なテロップ演出をするんだろうか。まったく理解できねぇ。

このテロップは日本の配給会社が独自に追加したもののようだが、もしかして「ギニーピッグ2血肉の華」の冒頭のそれのオマージュだったりすんのかな。深読みしすぎだろうけど、もし仮にそうだったにしても、セミスナッフものでもなんでもないジャンル違いのこのビデオにそんなことをする意味があんのかよ。

もうこの段階でまともな作品を期待なんて出来ない。開始して1分もしないうちに破綻してるのに、残りの90分にまともな内容を用意できるわけがない。そして案の定このビデオには終始まともな展開など訪れないが、もはやその馬鹿さ加減は視聴者の予想を遥か凌駕するほどの凄まじさがある。

本編が始まると、どこかの島に漂着した3人のオッサンがブリキの仮面をつけたボケナスどもに拉致られ、ゴア描写満載の殺戮ゲームに参加させられる。ケツの穴に鉄フックをぶち込まれ背骨を引きずり出されるは、鉈で胴体ぶった切るは、カメラズームアップでゲロ吐きを映したり、これでもかというくらい反道徳的なグロ映像が流されるが、そのどの残酷描写も特撮のクオリティがチープな上に登場人物たちの言動、行動がアホ極まりないので、まともな視聴者であればその内にこのような低俗なビデオを見てる自分が情けなくなり涙が頬を伝いはじめるだろう。

気づけば、いつの間にか序盤に登場した主人公らしき漂流者3人がボケナスどもに殺され、メインの座が何の脈略もなく登場したカンフー使いの中国人3人組に入れ替わり、やっぱり何の脈略もなく登場してきたゾンビや忍者たちと眺めてるだけで欠伸の出そうなヌルいカンフーアクションを繰り広げているではないか。ツッコむのも野暮な話だが、もし冒頭のテロップからこのような展開に発展すると想像できる者がいたらそいつはキ○ガイだ。

さらにビデオを見続けるとカンフー野郎共が「ランボー2」のクライマックスに差し掛かる捕虜救出シーンを壊滅的に劣化させて再現。マシンガンや手榴弾などの重火器でボケナスどものアジトを襲撃し、ボケナス集団の長・マイスター親子と対峙する。

追い詰められたマイスター親子は秘密兵器とばかりに空飛ぶギロチンならぬ飛行ギロチン使いとホッケーマスクを被ったジェイソンもどきを召喚するが、どちらも1分もしないうちに返り討ちに遭い退場。そのままの勢いでカンフー使いたちは手榴弾とバズーカでマイスター親子を葬ると、さわやかなBGMが流れる中、笑顔でハイタッチするところでビデオは終わる。こんなビデオを作るヤツが同じ惑星に住んでいるとは驚きだ。

全てが悪ふざけのような馬鹿なビデオだけど、そんな馬鹿でも貫けば魅力となるのか、なんだか得体の知れないエネルギーのようなものを感じてしまうのは僕だけだろうか。



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