稲川淳二 心霊
「稲川淳二 心霊」
制作国:日本 1996年 監督:三宅雅之、稲川淳二



本作のDVD。定価500円と非常にリーズナブルで、特典映像には怪談ツアーのダイジェスト映像が入っています。また、翌年には第2弾「心霊2」が制作され、さらに心霊写真の検証を扱った外伝「心霊スペシャル」と後にシリーズ化されています。




トラウマ確実のラスト!首なし地蔵の呪いで赤ちゃんが・・・ギャーΣ(゚д゚lll)

上から下から大放出!稲川淳二がアナタに贈る、足首掴まれ金縛り!飛び出た目玉は干涸らびる!怪奇な、あまりに怪奇なジャパニーズ・ホラー・オムニバス作品!作品は全3部の独立したエピソードで構成されているんですが、揃いも揃って3話とも、実に後味の悪いお話であります(^ω^;)

特に1話目の「旧日本軍の病院」、これは戦時中に旧日本軍による非人道的な人体実験が行われていたという病院を舞台に、新米ナースが見るも無惨に怨霊の餌食となるという話なんですけど・・・ その怨霊達のフラッシュバックなのか、たびたび挿入される映像の凄惨たるやこの上なしで、抵抗する子どもを無理矢理に焼却炉へ押し込んで生きたまま燃やしたり、「ゾンゲリア」ばりに拘束した男の眼球に注射器針をぶっ射したり、捕らえたナースの胴体をノコギリで切断したりと、まるでどこぞの731部隊のそれをモチーフにしたような容赦のない非人道ぶり!

直接的なスプラッター描写こそあまりされていないものの、怨霊系らしい無差別的な病院内での殺人は、先に書いた悪趣味な猟奇描写とも相まって非常に生々しいエグさと不条理さを醸し出しております・・・。

不条理と云えば2話目の「サーファーの死」。引き上げられたサーファーの遺体が異様に長い。遺体に被せられたシーツをはがしてみるとそこには・・・という話なんですが、この不条理でいて非常に不可解なオチの前には、如何なる強者達もたまらず夢の後に伏すことでしょう(我ながらテキトーなコメントだ・・・)。また、この話は「長い遺体」というタイトルでもテレビや怪談ライブでも語られる機会が多く、稲川怪談の代表作とも云える話なので、この映像化はファンにとっても非常に価値のあるものだといえます。

そしてトリを飾る「首なし地蔵」。報酬の反物目当てに曰く憑きのお地蔵様のもとへ、病床の赤子を背負って肝試しに出た百姓の嫁、お加代さんの主観で物語は進むんですけど、もう最初にお目見えしたお加代さんの顔からして「あんた眉毛何処にいったの!?」って感じで怖いんですけど・・・(^ω^;)

このお加代さん、目的地へ着くなり、なんと到着した証拠として「頭持って帰るけどいいよね?答えは聞いてない!」とばかりにお地蔵さんの頭部をもぎ取るという人間離れした技を披露!すると、この罰当たり極まりない行為を受けて怒りを露わにしたお地蔵様方が「舐め腐りやがって!」と帰りの道中にて阿鼻叫喚の怪奇現象の数々を発動するワケですよ!!

狂人のようになって仲間の元へ帰ってきたお加代さんが、肝試しに行ってきた証拠としてもぎ取ってきた「それ」を画面ドアップにして提示するラストは、純粋無垢な子どもが観たらトラウマ確実!!このカットで作品の幕を引く稲川さんのセンスもなかなかのものであります・・・。

まぁ、90年代半ばの低予算ホラーと云うことで、特撮やCGなんかは今観るとチープなものですけど(^ω^;) ソフトながらもエログロもあるし、なにより元々定評のある稲川さんの怪談を原作にしているだけに話の完成度は高い。秋の夜長に眠れぬ夜を過ごしたい方からコアな稲川淳二ファンまで幅広く楽しめる良作です。

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