うばわれた心臓

「うばわれた心臓」(英題:EVEL HEART)
制作国:日本 1985年 監督:早川光



「うばわれた心臓」の原作漫画から多香子の空洞の胸が顕になるクライマックスシーン。このコマがプリントされたTシャツが同じく楳図かずおの「顔をみないで」のTシャツと揃って発売されたのですが、油断してたら品切れになっていて買いそびれちゃいました…(>_<)




本作のVHSジャケット。上のクライマックスシーンのコマを大きくフューチャーしたデザインが楳図ファンの心を掴みますねΣ( ゚Д゚ ;)
ホラー漫画の第一人者である楳図かずおの短編漫画を実写映像化したビデオ作品。収録内容は30分程の本編ドラマと15分程のメーキング映像で構成されている。

80年代は特撮を駆使したスプラッター映画の流行とレンタルビデオの普及により、ギニーピッグなどをはじめとしたスプラッター・ビデオが量産された時代だった。そんなブームの中で既に当時ホラー漫画家として名を馳せていた楳図かずおの漫画を原作に製作されたのがこのビデオであるが、同時期に発売されていたギニーピッグが同じホラー漫画家の日野日出志を監督に起用しているところが興味深い(日野は自身の作品である「赤い花」と「マンホールの中の人魚」を原作に2本監督をしている)。

本編のあらすじは原作にほぼ沿っているが、この実写版では主人公の二人の少女、瞳と多香子の友好関係によりスポットを置いて描いている。原作でもこの二人の関係について「Sではないかと疑われるくらい大の仲良しだった」と書かれているけど、可愛い女の子が二人でいちゃいちゃしている様子はとても微笑ましい。定説だけど、ホラーと美少女というのはやはり相性が良いですね(´∀`*) ムフッ!

そんな中で瞳と多香子は、ふとしたきっかけからにどちらかの心臓が悪くなったら、互いに自分の心臓を差し出そうと約束を交わす。すると本当に瞳の心臓が悪くなり、多香子は事前に交わしていた約束から自分の心臓を差し出さないといけないという恐怖を感じる。そしてノイローゼとなってしまった多香子は、不慮の事故によって脳死状態となってしまい、約束通りに多香子の心臓は瞳に移植される。

瞳はこの話を林間学校の百物語の最後の100話目として話すのだが、すると亡霊となった多香子が現れ「私はむりやり心臓をうばわれたの 私の心臓をかえして!!」と、瞳から自身の心臓を奪い返そうと襲いかかってくるのだ。


このビデオ最大の見せ場、心臓抉り取りシーン!!

見所は心臓移植の手術シーンと、多香子が瞳から心臓を抉り出すクライマックスのゴア描写だが、百物語の怪談の定説として、最後の100話目を話終わったところで本当に怪奇現象が起きるというオーソドックスなホラー展開がいい。またラストの奪い返した心臓を自身の遺体に戻すときの多香子の狂気じみた笑顔がたまらない表情してる(;^ω^)


奪い返した心臓を自身の遺体に戻して狂気の笑みを浮かべる多香子・・!たまらないラストカットです(;゚Д゚)!

もともと原作が16ページほどの読切短編ということでボリュームは少ないですが、楳図かずお作品ということでストーリーラインはしっかりしてるし、見所のゴア描写もちゃんと抑えられている。楳図ファンはもちろん、原作を知らなくても楽しめる80年代スプラッター・ビデオの中でも良質な一本であります。





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