「GODZILLA」


「GODZILLA」

制作国:アメリカ 1998年 監督:ローランド・エメリッヒ



完全にジュラシックパークのT-REXにインスパイアされたGODZILLA。のちに公開された「ゴジラFINALWARS」ではGODの冠を外して、ZILLA(ジラ)と命名されたうえで本家ゴジラと対決します(^▽^;)




その「ゴジラFINALWARS」での本家ゴジラとエメリッヒ版GODZILLAの対決シーン。咆哮をあげ、本家ゴジラに挑みかかるZILLA(ジラ)。しかし突進していったところを容易く尻尾で弾き飛ばされ・・・。



あえなく放射熱線で葬られる。ZILLAよ、熱線が吐けなくて残念だったな・・・。





日本が世界に誇る怪獣王ゴジラを、アメリカのトライスター社が「インデペンデンス・デイ」のローランド・エメリッヒを監督に起用し制作したハリウッド版ゴジラ映画。日本国外で作られた初めてのゴジラ映画であり、数あるゴジラシリーズの中でも最もファンに嫌われ、黒歴史として扱われる作品だ(´・ω・`)

至るところで語られているので今更語るべきことでもないのだけれども、従来のファンからは「これはゴジラじゃない」と一蹴され、ゴールデンラズベリー賞最低リメイク賞を受賞し、世間一般での評価も低い本作。監督したエメリッヒ自身も「これは従来のファンから嫌われるかもしれない」と思いつつ世に送り出したというのだから、もしかしたらこの作品に対して良い感情を持っている人間など誰ひとりとしていないのかもしれない(てか、悪いと思っているものを出すなよ!)。

後年のシリーズでもこのエメリッヒ版ゴジラはネタにされる。とくに2004年の「ゴジラFINALWARS」では本家ゴジラと直接対決して瞬殺されるという屈辱的にも思える扱いをされているが、むしろ従来のファンはそのシーンに拍手喝采だった。「ザマーみろ、このイグアナ野郎!これが本物のゴジラの力だッ!」って胸がスッとする思いだったワケだね。もはや哀れにも思えてくるが、ここまでファンに愛されないキャラクターも珍しい。

では何故そこまでこのGODZILLAが嫌われるのか?「インデペンデンス・デイ」宜しくなアメリカ万歳映画だから?ステレオタイプ過ぎて魅力を感じられない登場人物たち?ありきたりすぎるモンスターパニック映画のあらすじに?掘り下げれば様々な理由が出てくるが、その最大の理由は本作のゴジラというキャラクター自体にあるだろう。一度でもそれまでにゴジラを見たことのある者は口を揃えてこう叫んだ。いったいこれのどこがゴジラなんだ?

この際「ジュラシックパーク」のティラノサウルスを意識したかのようなシャープな細身のデザイン云々はともかくとして、放射熱線も吐かなければ、軍隊の攻撃を嫌い、ニューヨークのビル街をひたすら逃げ回り続ける。初代ゴジラの中で「水爆の洗礼を受けながらも尚且つ生命を保っているゴジラを、何を以って抹殺しようというのですかッ!?」という山根博士の台詞があるが、この作品でのゴジラは兵隊の軽火器で負傷し、最期には戦闘機のミサイル攻撃で呆気なくやられてしまう脆さである。要はゴジラと思えるような特徴が作品にまったく感じられないのだ。



左が本作に登場するベビーゴジラで右がジュラシックパークに登場するラプトル。クリソツです(*´ω`*)

先述のゴジラ自体のデザインにしてもそうだけど、ベビーゴジラがフランス諜報部隊を襲うシーンなんかは思いっきり「ジュラシックパーク」のラプトルだし、どうもゴジラ以外のモンスターパニック映画(というか「ジュラシックパーク」!)の影響が強く感じられてしまう。みんなゴジラを期待して見に来ているのに、いざ見せられたものがジュラシックパークだったらとんだ肩透かしだ。それも人気に便乗した粗悪な誇大映画だったら、それはそれはガッカリする。これはそういう映画だ。酒の〆におにぎりを注文したのにハンバーガーを出されたようなもので、それは期待したものとは全く違う。つまりこれはゴジラじゃねぇ。

結局この映画の最大の失敗は「GODZILLA」という名前を冠したことだ。実際、先述したFINALWARSに本作のGODZILLAが登場した際には「GOD」という単語を外してZILLA(ジラ)と呼ばれていた。結論、本作は今後ソフトリリースする際、正式に「ZILLA」として改題した上で発売するべき。やっぱりマグロ喰ってるようなのはダメだな・・・。もうそれ以上言うことが見つからん・・・。


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